価格: | ¥1870 |
著者: | 藤原龍一郎 |
出版社: | ふらんす堂 |
発行年月: | 2022年06月14日頃 |
ISBN: | 9784781414683 |
種類: | 単行本 |
在庫状況: | 在庫あり |
一本の樫の木やさしそのなかに血は立ったまま眠れるものを(初期歌篇)。「十五才」の一首。「血は立ったまま眠れるものを」という比喩表現がきわめて魅力的。寺山修司自身もこの表現を気に入っており、一九六〇年、二十五歳の時に初の戯曲「血は立ったまま眠っている」を書いている。劇作家高取英によるとこのフレーズは、フランスの詩人エリュアールの「パリは立ったまま眠っている」を元歌としているそうだが、「血は立ったまま眠っている」の方が詩的起爆力は比較にならないほど大きい。樫の木の幹の中に立ったまま眠っている血、それは詩人の血であり、文学の魂そのものではないか。