価格: | ¥3080 |
著者: | 松村昌家 |
出版社: | 思文閣出版 |
発行年月: | 2007年03月 |
ISBN: | 9784784213351 |
種類: | 全集・双書 (大手前大学比較文化研究叢書) |
在庫状況: | |
漱石は時代きっての英国通であった。そしてイギリスの文学のみならず、その文化現象全般から、どの作家よりも多くの影響を受け容れた作家であった。と同時に、『文学論』や『文学評論』、そしてもろもろの断片にあらわれているように、イギリスの文学や文化を見るのに、独自の批評眼をもつ作家であった。そのありようは当然、生半可な西洋文学の受容や模倣に対する鋭い批評に通じるだろうし、何よりも彼自身の創作において「模倣と独立」の問題と、最も真剣に、きびしく向き合わねばならなかったことを意味するのである。