価格: | ¥3520 |
著者: | 島崎久弥 |
出版社: | 多賀出版 |
発行年月: | 1999年11月 |
ISBN: | 9784811555614 |
種類: | 単行本 |
在庫状況: | お取り寄せ |
本書は第一編において、新興市場国の通貨危機をとり上げ、まず21世紀型通貨危機の特質を解明するとともに、国際間における短期資本の跳梁を促す契機ともなった、WTOやIMFなどの国際機関を先兵とする、「ウォール街・アメリカ財務省複合体」(バグワティ)による金融、資本自由化の動きを考察した。次に通貨危機対策として脚光を浴びるに至ったカレンシー・ボードの導入案と、国際短期資本の移動に対する規制問題をとり上げ、さらにメキシコとタイにおける通貨危機の発生と、それが他の新興市場国に伝染していく過程を分析した。第二編においてはまず貿易、通貨ブロックと通貨圏の概念規定を明確にし、国際通貨の機能とその要件について検討を加えた。次に公的部門と民間部門の各通貨機能ごとに、円の国際通貨としての現状を分析し、円が国際通貨としてはもとより、東アジアのリージョナル・カレンシーとしても、いかに未成熟な段階にあるかを明らかにした。