価格:¥3630
著者:河地清
出版社:日本経済評論社
発行年月:1999年10月
ISBN:9784818810891
種類:単行本
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本書では、林金兵衛(1825〜1881)と、福沢諭吉(1835〜1901)という二人の人物を扱っている。生没の年代を見れば、ほぼ同時代人であることがわかる。農民林金兵衛は、徳川幕藩体制の社会で、代々引き継がれてきた林家をまもって生きていた。時代の流れがゆるやかに進んでいれば、生業である農作業が年々平穏無事に繰り返されたであろうし、農民の信望を一身に集めた村政の良き指導者として、平和な生活を過ごしていたにちがいない。一方福沢諭吉は、封建時代に限りない疑問をもって生きた人間である。「門閥制度は親の敵でござる」という言葉は、福沢の封建制度に対する憤りを示す代表的なものである。またこれが福沢の行動の原点にもなった。したがって、福沢は、こうした時代の流れを変革しようと、常に先見性をもって、懸命に生きた人物であったといえる。この福沢と林、二人の事歴やその時々の直面する場面からほとばしり出る葛藤や苦悩の姿を冷静に見つめることによって、人物の出会いとは何か、どうして出会うのか、出会えたのか、出会った人物は、お互いにどのように変わってゆくのか、といういくつかの問題点がでてくる。こうした問題点を、「春日井郡地租改正反対運動」という歴史的事実を通して、整理することが本書の目的である。
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