ミランダは広間のパーティーを抜け出し、書斎でほっと息をついた。明日は大事な結婚式だから、今夜はゆっくりやすみたかったのに。と、ドアが開いて二人連れが入ってきた。窓辺のカーテンの陰で外を眺めていたミランダは息を殺した。顔は見えないが、声からして一人は確かに父の秘書だ。ミランダはその秘書の話に愕然とした。ミランダの婚約者は重役の地位と引きかえに結婚するのだという。社長である父と彼の間にそんな取り決めがあったのだろうか?信じられないが、疑いを抱いたまま結婚式を挙げることはできない。深夜、ミランダは家を出て友達のアパートへ向かった。