ガラスでできた愛らしい一角獣ーユニコーンの置物、それはソフィーにとって命の次に大切な宝物である。“命と引き換えてもいいと思えるほどの願い事があったとき、このユニコーンを持って僕のところへおいで。かならず、その願いをかなえてあげよう”これが幼いソフィーと義父の親戚であるアンジェロが交わした約束だった。月日は流れ、ソフィーは１８歳の美しい娘に成長した。そして今、心からの願い事を胸に秘めてアンジェロのいるマルケーズ銀行、頭取室の前に立った。バッグの中にユニコーンをしのばせて…。