ジェニーは地元の週間新聞“ハンガード”の編集責任者。いつの日か全国紙のコラムニストとして活躍する日を夢見ている。そして、愛に満ちた温かい家庭を築くことも。なのに最近は、ボーイフレンドとの仲がしっくりいっていない。心のなかで、サイモンは友だち以上の存在になっている。彼は、私のことはすべてお見通しのようにふるまうくせに、肝心のことは気づいてくれないんだから…。といって告白すれば、十年来の友情にひびが入ってしまう。彼は私を“親友”としか思ってないのかしら。ジレンマに悩んでいたある日、社内に重大ニュースが流れた。経営難の社が買収され、新聞界の大物がオーナーになるという。尊敬する上司の言うように、“別の人生を考えるとき”だろうか。転職…、引っ越し…。でも今のジェニーには、そのどちらもできそうになかった。