歳月は、こんなにも残酷な変化をもたらすものなの？ロサンゼルスで人材派遣会社の社長として成功しているドリアンは、休みをとって帰った故郷で意外なニュースを耳にした。八年前に別れた夫レイフが、仕事に失敗して町に戻っているらしい。でも、自分を見捨てた人の挫折を知っても喜ぶ気にはなれなかった。わたしが十七歳のときに結婚したレイフは、あんなに有能で、将来を約束されていたのに…。彼の夢をよく聞かされたわ。別れた理由は、二人とも若すぎたとしか言いようがない。ドリアンは思い出の道をたどるかのようにレイフの実家に向かった。はき古しのジーンズ姿で庭の手入れをしていた彼は、日にやけた顔に驚きの表情を浮かべながらつぶやいた。「ずっと幸せだったかい、ドリアン？」熱く甘い感情がこみあげてくるー。心に言い聞かせなければ。この人は少女時代のロマンチックな思い出の残骸なのよ。