価格: | ¥13200 |
著者: | 山中 悠希 |
出版社: | 武蔵野書院 |
発行年月: | 2016年02月28日頃 |
ISBN: | 9784838602933 |
種類: | 単行本 |
在庫状況: | |
第1部「堺本の本文と編纂の方法」は、主に本文の構成面に焦点をあて、現存堺本がひとつの自立した作品として捉えるのに十分な要素を備えていることを述べる。具体的には、他系統本との本文比較によって、項目の流動、記事の重複といった現象が、諸本間でどのように展開しているかを分析する。堺本の構成の特徴とその機能とが明らかになろう。第2部「堺本の本文と生成・享受」では、主に本文の表現面について検討する。堺本の独自本文の編纂のされ方、独自表現の分析を通して、堺本の本文が一般的な『枕草子』理解からはみだすような性質を帯びていることを確認する。また、堺本の本文系統のうち宸翰本系統に分類される本文が、『枕草子』現存最古の写本である前田家本の本文と近いものであることを述べる。さらには、本書の検討をふまえた新たな本文分類案を提示する。最後に、本書で確かめ得た種々のことがらをふまえて、堺本の生成と享受の問題について考察する。