価格:¥3850
著者:小山三郎
出版社:知泉書館
発行年月:2008年07月
ISBN:9784862850379
種類:単行本
在庫状況:お取り寄せ
1949年以降、台湾の現代作家たちは国民党政府との緊張関係の中でどのような活動をしたのか。共産党政権と国民党政府とのダイナミックな関係を通して、その実相にはじめて総合的に迫った画期的業績である。著者は国民党政府と作家との関係の源を30年の魯迅と梁実秋とのプロレタリア文学論争に見出す。彼らは文学における階級観は対立するが、固有な文学精神であるリアリズム精神については共通理解をもっていた。毛沢東の『文芸講話』に象徴される、文学は救国と政治に奉仕すべきものとの一貫した文芸政策の中で生じた粛正と弾圧、台湾政府への影響と蒋介石政権の独裁化に伴う作家への弾圧。それら一連の動きを柏楊投獄事件や白樺制作の映画『苦恋』の大陸での批判と上映禁止、その台湾版制作の経緯を通して解明する。政治と文学の間に生起する複雑な構造的関係を分析する視点は、中国近代文学史研究へ一石を投ずるだろう。
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