価格: | ¥1320 |
著者: | 福田 清人/堀江 信男 |
出版社: | 清水書院 |
発行年月: | 2016年08月01日頃 |
ISBN: | 9784389401030 |
種類: | 全集・双書 (人と作品) |
在庫状況: | |
貧困と病気にせめさいなまれながら、理想を求め、あこがれ、苦悩し、二十七歳の若さでこの世を去った啄木。それは日本近代の確立期に、社会と自分との問題を最も真剣に考え、生きようとした人の姿である。その生き方は、わたしたちの人生観に大きな影響を与えずにはおかない。『一握の砂』『悲しき玩具』の両歌集に代表されるその文学が不朽の生命を持ち、人々に広く愛唱されてきたのは、そのような啄木の生き方と無関係ではない。そして真剣に生き、たたかった啄木によって生みだされた文学は、ある意味では、夏目漱石、森鴎外、島崎藤村ら巨匠の文学よりも高く評価されている。啄木は、真に天才といわれるべき人であった。啄木没後百年余、天才の姿は、ようやくわたしたちの前にあきらかにされつつある。