価格: | ¥1320 |
著者: | 福田清人/小林芳仁 |
出版社: | 清水書院 |
発行年月: | 2018年04月 |
ISBN: | 9784389401306 |
種類: | 全集・双書 (Century Books 人と作品 37) |
在庫状況: | 在庫あり |
「一人にして数世紀なり。」かつて逍遙が他の巨匠に与えたこの賛辞は、むしろ逍遙自らに冠してこそふさわしい。近代日本の黎明期に産ぶ声をあげた彼は、その鋭敏な感覚で、すばやく時代の方向をキャッチし、明治・大正・昭和の三代を通じて、あるいは小説に、評論に、演劇・無踏劇改良に、そして教育の道にも、翻訳にも、常に先駆者として時代をリードし、新しい道を切り開いていったのだった。彼がその思い出多い少年の日々を、朝に夕に遊びたわむれた故郷「太田」の木曽の流れが、昔に変わらず悠々千古の夢を流しているように、彼の業績もまた、永遠に輝いているであろう。この偉大なる先覚者坪内逍遙の、汲めどもつきぬ内容豊かな人生ドラマをふり返り、その業績を偲ぶことは、きわめて意義深いことではあるまいか。