佐渡の旅から帰って久しぶりにおえんの家にくつろいだ左近、熱い湯が山峡から豊富に湧き出し、女の冷症にはことのほかよく効くそうだと伊香保温泉への旅に誘った！表は版元からの“伊香保八景”の注文、裏はもちろん隠密行であった！？高崎城下、市で賑わう大通りで、雷の五郎八なるごろつき者が一人の深編笠の浪人に難癖をつけていた！浪人は大目付から派遣された天正流の使い手、隠密の金子鉄斎であった！？一方、左近は夫婦連れの旅を満喫していたが、伊香保へ二里の山道で突然に渋川代官に呼び止められた！？はたして、左近とおえんの旅先に待つものは！？（「豊艶伊香保路湯情」）。-無生剣と投駒の秘枝で立ち向かう左近の敵手は！？「魅艶信州高遠寝待ち月」を併収。