価格:¥6600
著者:アンソニ・ギデンズ/市川統洋
出版社:みすず書房
発行年月:1977年01月
ISBN:9784622016984
種類:単行本
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1968年のフランス5月革命や同じ年のチェコ事件など、現代史の巨大な出来事について、現代社会学が、何ら有効な説明をなし得なかったことは、著者にとって「社会学の危機」と感ぜられた。かつて社会学が提出した階級理論は、18世紀以来、政治及び経済現象分析の力強い武器であった。いまやそれは無力化したのであろうか?「脱イデオロギー」論や「テクノクラート」理論の流布は、かつての階級概念を、ヴィクトリア朝の建築物のような、無用にして栄光ある古物にしてしまったのであろうか?著者は否と答える。過大な期待と文献の混乱の現実から脱出するために、著者は一方において、マルクス、ウェーバー以来の遺産をたぐい稀れな透徹した分析力で把握し、鋭利な武器として磨きをかける。他方著者の大地を踏まえた足は、現代の工業文明によって新しい形態をととのえた「先進」社会の、資本主義国と共産主義国とを問わない、その現実から出立する。そして、その両者の交錯から導かれた理論的結実が本書である。
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