人事課長補佐として働くカースティンは、全社的に深刻になりつつある問題のことで直接社長に相談しようと、意を決して社長室をたずねた。ところが迎えてくれた相手を見て、彼女は唖然とした。この人が社長だったの…？数日前、突然人事課長室に飛び込んできた、あの男性だ。長身でがっしりした体格、端整な顔立ちの彼にカースティンは、一目で心を奪われていた。ついつい見とれてしまう自分を戒め、なんとか話を切り出したものの、思いもかけず彼の私生活の話が出て、彼女は困惑した。なんと彼には、自分と四歳しか違わない娘がいるという。ああ、なんという人を好きになってしまったの。