ヘザーは豪華な部屋で待つあいだ、緊張と不安でいっぱいだった。乳母としてシェフィールド家で働けるかどうか、この面接で決まる。弁護士や政治家を輩出するボストンの名家。アトランタの乳母養成学校を卒業したとはいうものの、こんなところでうまくやっていけるかしら？やっぱり逃げ出してしまおう…。そう思って立ちあがりかけたとき、ドアが開いて、今まで見たこともないようなすてきな男性が入ってきた。「マックスウェル・シェフィールドです。姉のかわりに面接することになりました」そして彼はヘザーをまじまじと見つめ、意外な質問をした。「ぼくにはあなたが三十一歳だとはとても信じられないのですが」。